Right job キャリアデザインスクール

営業から転職したい人が知るべき職種・スキル・成功の進め方

この記事でわかること

  • 「環境が嫌」か「営業が嫌」かの正確な切り分け方
  • 営業経験が活かせるおすすめ職種7選の特徴
  • 職種ごとに知っておくべきリアルなギャップ
  • 転職前に整理すべきポータブルスキルの棚卸し方

営業から転職したいけど何から始めればいいか分からない。職種が多すぎて絞れない、エージェントにまた営業職を勧められた、自己分析しても答えが出ない……。こうした壁にぶつかっている方に向けて、転職前に整理すべき判断軸から職種選びの具体的な手順まで解説します。


営業から転職を考える前に:「営業が嫌」なのか「会社・環境が嫌」なのかの切り分け

転職を考えるとき、最初に確認したいのが「何が嫌なのか」の正確な把握です。営業から転職したい理由は大きく4つに分けられます。

  • ノルマ・数字のプレッシャーが辛い
  • 上司や社内の人間関係が合わない
  • スキルアップや成長を感じられない
  • 扱っている商材や業界自体に興味が持てない

上の2つは「環境を変えれば解決できる可能性がある悩み」です。下の2つは職種や業界とのミスマッチを示しており、転職先を変えないと根本解決になりません。同じ営業職のまま会社だけ変えて後悔するのは、この切り分けが曖昧なまま動き出すからです。

Aさん(20代後半・男性・商社営業)

化学品商社で法人営業を担当していたAさんは、上司からの指摘が続くなかで「営業を続けるべきではないのかなと考えていました。自分の強みやそれを活かせる職業がわからず、一人で悩んでいました」と振り返ります。

以前の転職ではエージェント任せに動いた結果「会社は変わったものの、結局営業が向いているのかという悩みは解消されませんでした」という経験がありました。

キャリアコーチングで自己分析に取り組んだ結果、「自分が強みとも思っていなかったところを素敵な強みだと褒めてもらい、仕事に活かせると気づけた」と語ります。自分のミッションが「迷っている人の背中を押し、自分の気持ちに素直に輝ける人を増やすこと」だと明確になり、リクルーティングアドバイザー職へのキャリアイメージを描けるようになりました。

「自分の軸がはっきりしない段階で転職をしても間違った方向に進んでしまう」というAさんの言葉は、転職前の自己分析の重要性を端的に示しています。

「営業が向いていない」と思っていた悩みが、実は「今の環境で強みを活かせていないだけ」だったケースは少なくありません。転職先を探す前に、まずこの切り分けを丁寧に行うことが後悔しない転職への第一歩です。


営業経験で身についているポータブルスキルの整理

営業職は、他職種への転職で武器になるスキルを多く育てます。

  • ヒアリングと課題発見力:顧客の言葉の裏にある本質的なニーズを引き出す力
  • 提案・プレゼンテーション力:相手に伝わる形で価値を言語化する力
  • 交渉・合意形成力:利害が異なる相手と折り合いをつける力
  • 数値管理・PDCAの習慣:目標に対して進捗を追い改善策を考える力
  • 関係構築力:信頼を積み重ねて長期的な関係を維持する力
  • タイムマネジメント:複数の案件・顧客を並行して管理するマルチタスク力

大切なのは、各スキルを「どの職種のどの業務で活きるか」に変換するステップです。「ヒアリング力」はカスタマーサクセスや人事採用で、「数値管理力」はマーケティングや営業企画で直接活かせます。スキルを職種の業務に結びつけて語れるかどうかが、書類・面接での説得力を左右します。


営業から転職しやすいおすすめ職種7選と、営業経験が活きる理由

マーケティング・営業企画:顧客理解と数値感覚がそのまま活きる

マーケティングは顧客理解をもとに施策を設計し、数値で効果を検証する仕事です。営業で培った顧客理解と数値管理の感覚は即戦力として活用できます。営業企画は現場経験があるからこそ「実態に合った施策」を提案できる強みがあり、特に20代においてキャリアチェンジが実現しやすい選択肢です。

人事・採用:関係構築力と選考の本質が重なる

候補者との関係を構築しながら会社の魅力を伝え入社意欲を高めていく仕事で、営業の「提案・関係構築」とプロセスが非常に近いです。採用担当やリクルーティングアドバイザーは法人営業経験者が評価されやすい職種として知られています。

総務・経理などバックオフィス:内勤志望者が押さえるべきこと

「安定した環境で専門スキルを身につけたい」という軸は面接でも伝わりやすいです。ただし単に「内勤がいい」という理由だけでは書類選考を通過しにくく、後述するギャップにも注意が必要です。

コンサルタント:上流からの課題解決に挑みたい人向け

「仮説を立てて提案する」「相手の課題を引き出す」営業スキルはコンサルティング業務と直結します。総合系・ITコンサルは営業経験者の採用に積極的なファームも多く、年収アップを狙うルートとして有力です。

カスタマーサクセス:顧客との長期関係を価値に変える

SaaS・IT企業を中心に需要が急増している職種です。「関係を維持しながらニーズを先読みする力」という営業の強みが、カスタマーサクセスの核心に重なります。

ITエンジニア:未経験でも挑戦できる、ただし学習コストは高め

プログラミングの基礎学習は必須ですが、習得すれば市場価値が大きく上がりリモートワーク・高年収のキャリアパスにつながります。時間をかけて準備できる人向けの選択肢です。

Webマーケター・インサイドセールス:デジタルと営業の橋渡し役

Webマーケターは広告運用・SEO・データ分析で集客を担い、インサイドセールスはオンライン商談でのアポ獲得が主業務です。どちらも営業経験者のロジカルな思考・数値感覚が評価されやすい職種です。


転職前に知っておきたい職種別のリアルなギャップ

職種ごとのギャップを先に知っておくことで、転職の判断精度が上がります。

バックオフィス・事務系:年収が下がりやすい

インセンティブがなくなる分、年収が100〜150万円下がるケースは珍しくありません。「営業が嫌」という後ろ向きな理由だけでは転職後のモチベーション維持も難しくなります。「このスキルを積みたいから内勤に移る」という前向きな軸を持てているかどうかが満足度の分かれ目です。

マーケティング・人事:最初は地道な業務から始まる

入社直後は資料作成・データ入力・求人票の更新など地味な業務が続きます。専門性が高まるまでに数年かかるのが一般的で、「数年後にこのスキルを持ちたい」というビジョンがあるかどうかで辛い時期の乗り越え方が変わります。

コンサルタント・ITエンジニア:学習コストと競争の厳しさ

コンサルは論理的思考と言語化力が問われ、ITエンジニアは継続的な技術キャッチアップが必要です。「なんとなく年収が上がりそう」という動機だけで飛び込むと早期離職につながりやすいです。

ギャップを知ることが転職成功の条件

ギャップを知ったうえで「それでも選ぶか」を考える時間を、転職活動の前半に必ず設けましょう。


自分に合う転職先の見つけ方:3つの軸で整理する自己分析

「どの職種に転職すればいいか分からない」という状態は、選択肢が多いからではなく、選ぶための軸がないから起きています。

一般的な自己分析がうまくいかない理由

よくある落とし穴は3つあります。①過去の経験から「共通点」を探しても「だから何の仕事が向いているか」に答えられない。②スキル棚卸しは、特に20代では合っていない仕事の中で分析すること自体がずれている。③ガクチカを掘り直しても、頑張ったこと≠強みであるため仕事への接続が難しい。

ミッション・強み・好きの3軸で整理する

  • ミッション:仕事を通じて実現したいこと。業界・商品選びの軸になります。
  • 強み:自然とできる、苦なく取り組める領域。職種での活躍スピードを決めます。
  • 好き:時間を忘れて没頭できること。職種の「どの業務か」を絞り込む手がかりになります。

業界・商品はミッションから、職種は強みと好きの重なりで決めていきます。「好き」は必ず細分化することが重要です。「人と話すのが好き」で止めると範囲が広すぎます。「初対面の人の話を引き出すのが好き」なら採用、「課題解決の提案が好き」なら営業企画やコンサル、と細分化するほど職種への接続が明確になります。

Bさん(20代・女性・インサイドセールス)

自動車・リース会社でインサイドセールスを担当していたBさんは、「私って何がしたいんだろう」「自分ってどういう人間なんだろうというのが悩みでした」と語ります。転職・社内異動など選択肢はあるものの選ぶ基準がなく、「自己分析をしてもやって終わり状態になっていました。気づいたら3年目になっていました」と振り返ります。

転職エージェントを利用したものの、ビジョンが固まっていない状態では活用しきれないと感じキャリアコーチングへ。コーチとの面談で過去のエピソードを深掘りし、強み・好き・ミッションを言語化。「この一言のミッションの中に自分の特性や才能、好きなこと、強みが全て入っています」と語るほど自己理解が深まりました。

目指す職種を企画・広報・Webマーケティングの3つに絞り込み、最終的に広報職の方向性を決定。「自分の特性や強みを最大限活かせる環境に行けたら、必ず霧は晴れるという希望を持てるようになりました」と、漠然とした不安が希望に変わりました。

「何でもできる状態」より「これで選ぶ」という軸を持つことが、転職先を決める最短ルートです。


20代・30代別の転職戦略と、年齢が上がるほど準備すべきこと

20代:未経験転職のハードルが低い今を活かす

20代はポテンシャル採用が通用する時期で、未経験職種へのキャリアチェンジのハードルが相対的に低いです。「軸を固めてから動く」ほうが転職の質は上がりますが、動けるタイミングを先延ばしにしすぎるのも得策ではありません。

30代:即戦力として評価されるための準備3つ

30代は「経験を持った人材」として見られるため、未経験転職のハードルは上がります。「なぜその職種か」「入社後に何ができるか」を具体的に語る力が求められます。

  1. 自分の価値観・軸を言語化する:なぜその職種・業界を選ぶのかを一言で説明できるようにする
  2. 希望職種の業務を事前に体験する:職種体験や副業・社内プロジェクトへの参加で実績を作る
  3. キャリアストーリーを整理する:これまでの経験と次のキャリアに一本の線を通す
Cさん(30代前後・男性・開発コンサルタント→経営コンサルタント)

インフラや海外展開支援を手がける開発コンサルタントだったCさんは、「やりたいことがぼんやりしていて自分の本当の価値観が分からなかった」という状態でした。ノート1冊分の自己分析やストレングスファインダーも試みましたが、「やればやるほど、後から見返すとちょっと訳がわからない、本当の価値観ってなんだろうと混乱していました」と振り返ります。

プロのコーチによるコーチングを受けて自己分析の限界を突破。「コーチングのプロがいなかったことに尽きる」という言葉が、一人で深みにはまっていた状態を端的に表しています。軸が固まった状態で転職活動を開始した結果、採用倍率2〜3%の総合系コンサルティングファームへ2週間で内定を獲得。複数社から内定を得て年収を約200万円アップさせました。

30代の転職で「面接で何を聞かれても答えられた」という状態を作れるかどうかは、事前の自己分析の深さで決まります。


転職エージェントに「また営業を勧められる」を防ぐための伝え方と選び方

エージェントが営業職を勧めやすい理由

転職エージェントは転職成立時に企業から報酬を受け取る成功報酬型です。「決まりやすい求人を紹介する」インセンティブが働くため、採用可能性が高い営業経験者に営業職を紹介しやすくなります。

希望を正確に伝えるための準備

エージェントと面談する前に次の3点を言語化しておきましょう。

  • 「なぜ営業以外の職種を希望するのか」を一文で説明できるようにする
  • 希望職種で自分の何のスキルが活きるかを具体的に伝える
  • 「営業職は紹介不要」と最初に明確に伝える

「自分に合った仕事を見極めること」と「転職を決めること」は別のプロセスです。エージェントは転職を決めるプロですが、自分に合う仕事を見極めるにはキャリアコーチのような中立な支援者が向いています。Bさんのように「ビジョンが固まっていない状態では活用できなかった」という結果を避けるためにも、自己分析で軸を作ってからエージェントを活用する順番を守ることが転職の質を上げる鍵です。


まとめ:営業からの転職を後悔しないために最初にやること

営業からの転職を成功させるステップを整理すると、次のようになります。

  1. 「営業が嫌」なのか「今の環境が嫌」なのかを切り分ける
  2. 営業で身についたポータブルスキルを職種別に言語化する
  3. ミッション・強み・好きの3軸で、業界と職種を別々に絞り込む
  4. 転職後のリアルなギャップを事前に調べ、「それでも選ぶか」を判断する
  5. 軸が固まってからエージェントを活用する

Aさん・Bさん・Cさんに共通しているのは、「自力では分からなかった自分の強みや価値観が、第三者のサポートで初めて見えてきた」という点です。

Right jobは、キャリアコーチング×職業体験を組み合わせた短期集中のオンラインプログラムです。選考を通過した上位3.6%のコーチがマンツーマンで支援し、自己分析の結果をもとに実際に合う職種を体験できます。やりたいことが見つかった割合100%・キャリアチェンジ成功率90%という実績のもと、公務員からカスタマーサクセス、介護職からWebエンジニアなど、未経験転職の多様な事例を支援してきました。

「まず何からやればいいか分からない」という方は、転職先を探す前に自分の軸を固めることから始めてみてください。それが、後悔しない転職への一番の近道です。

この記事を書いた人

矢部

Right job 創業者・取締役 / キャリアコーチ

20代を中心としたキャリア支援の専門家です。これまでに累計2,000名以上のキャリア相談と、150名以上の転職支援に携わってきました。著書『天職の見つけ方』はAmazonランキング10部門で1位を獲得し、累計1万5,000人以上の方に読んでいただいています。

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